メンテナンス作業を大幅に軽減
ケミカルタンカー用高耐食性ステンレス厚板/NSSC 260A

開発経緯

「ステンレス厚板」は、ケミカルタンカーや産業機械、原子力発電など幅広い分野に使われている。今回開発した新商品「NSSC 260A」は、当該用途では世界で初めて各種メンテナンス作業を大幅に削減し、お客様のコストダウン、運搬効率の向上、環境負荷の低減等に貢献できる商品だ。

ケミカルタンカーで、硫酸、粗製りん酸などの薬品類を積載する場合、従来、主に「SUS 316LN」が使われていた。しかし、タンク表面の腐食や変色が避けられず、お客様のメンテナンスが必要だった。また、海水でタンク洗浄を行う場合、塩分による局部的な腐食(さび)を除去するためのメンテナンスも行われている。このようなお客様の使用現場からの貴重な情報をもとに、全社で開発に取り組み、新商品を開発した。

研究最前線から

製鋼・厚板・棒線研究部
主任研究員
福元成雄

NSSC 260Aは、優れた耐食性を発揮するように合金設計され、以下の特長をもっています。
(1)硫酸中での腐食速度が、SUS 316LNの約1/30。
(2)粗製りん酸の腐食による変色を大幅に軽減。
(3)海水洗浄時の耐局部腐食性が大幅に向上。

NSSC 260Aでは、耐食性の観点からの材料開発を新日鉄鋼材第一研究部、専用の溶接材料開発を接合研究センターが担当し、製造技術開発を新日鉄住金ステンレス(株)研究センター、八幡製造厚板工場、光製造所製鋼工場が分担して進めてきました。

合金を多量に含む高合金鋼は熱間加工や溶接が難しく、開発当初は割れ等の問題が懸念されました。しかし、関係者がアイデアを出し合って実験を積み重ね、耐食性、溶接性、熱間製造性を兼ね備えた成分系を見つけ出すことができました。現在はケミカルタンカーへの適用に向け、お客様での評価試験が進められています。

詳細情報

NSSC 260A

耐硫酸性オーステナイト系ステンレス鋼