冷間圧造用工具の寿命を2倍に延長!
ステンレス鋼線材/NSSC XM7SH

開発経緯

「ステンレス線材」を用いたステンレス鋼ファスナーは、屋外環境にさらされる建築・構造物や自動車から錆びを極端に嫌うOA機器まで幅広い分野で使用されている。耐食性が必要とされる一方、製造コストの安い冷間鍛造プロセスで製造されるため優れた冷間鍛造性も要求される。そのため、両特性を同時に満足するオーステナイト系ステンレス鋼SUS XM7が適用されている。

今回開発した「NSSC XM7SH」は、ネジ加工時の工具荷重を従来鋼に対し約2割低減するとともに、工具寿命を約2倍に延長するなど、冷間鍛造性を飛躍的に向上させた。さらに、従来は困難だった冷間鍛造による複雑形状部品の製造も可能とした。

研究最前線から

製鋼・厚板・棒線研究部
主任研究員
高野光司

NSSC XM7SHの特徴は、
(1)特殊精錬技術により酸化物の形態を制御して鋼中の不純物を低減し、
(2)主要合金成分の最適化を進め、
(3)特殊元素を微量添加し、一層の軟質化が図られていることです。

本開発では“鋼中の微量な酸化物の消失・再析出挙動”という鉄鋼材料では全く新しい現象を発見しました。また、この発見により、鋼中の酸化物の形態を制御する特殊精錬技術の開発につなげました。

ステンレス鋼は、無限の可能性を秘めています。現在、新商品開発だけでなく、既存鋼のさまざまな用途開発に応じた研究を展開しています。今後NSSCブランドの開発で、ステンレス鋼の未来を築いていきます。