大入熱溶接が可能なSUS304代替二相ステンレス鋼を世界で初めて開発

2012/04/19

~高強度で鋼構造物の薄肉化が可能なNSSC®2120が誕生~

新日鐵住金ステンレス株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:木下 洋)は、従来のSUS304代替タイプの二相ステンレス鋼の課題であった溶接性を著しく改善し、大入熱溶接が可能な二相鋼「NSSC®2120」(21Cr-2Ni-N)を世界で初めて開発しました。高強度なNSSC®2120は、鋼構造物の薄肉設計により素材調達コストの大幅な削減が可能であり、溶接作業性の改善と併せ、お客様の商品競争力のアップが可能です。

1.NSSC®2120の特徴
当社は、二相ステンレス鋼(以下、「二相鋼」)の需要拡大に対応し、市場ニーズに的確に応えるため、八幡製造所厚板工場にて二相鋼の生産能力増強や製造可能鋼種の拡大、開発を行ってきております。

今回、当社が開発したNSSC®2120の主な特徴は、以下の3点です。
(1)従来のSUS304代替タイプの二相鋼は、溶接入熱を制限する必要があり、溶接効率の点で課題がありました。NSSC®2120は、当社独自の成分設計と製造技術により溶接性を著しく改善しており、大入熱溶接が可能です。このため、お客様の作業性を大きく改善できます。

(2)SUS304に比べ約2倍の強度(0.2%耐力)を確保しており、設計板厚の薄肉化により鋼材使用量を大幅に削減(最大50%まで可能、用途により変化)できます。また、SUS304と同等あるいはそれ以下の価格で提供可能です※。このため、素材調達コストを大幅に削減することができます。
(※販売価格は、原料価格、為替等により変動するため、お引き合い時にご相談ください。)

(3)レアメタルであるニッケルおよびモリブデンの添加量を削減した二相鋼であり、SUS304に比べ省資源性と価格安定性に優れています。

(参考)二相鋼の基本的な性質
二相鋼は、オーステナイト相とフェライト相の比率がほぼ等しい微細構造を持っており、SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼に比べ、強度が高く、耐食性に優れるとともに、塩化物環境での応力腐食割れに対して優れた耐性を有しています。

2.期待される用途
SUS304、S32101(従来のSUS304代替タイプの二相鋼)あるいは普通鋼の代替として、広範囲の用途でご使用が可能と考えております。
特に、大入熱溶接が可能であることから、
・ケミカルタンカー、海水淡水化装置、製紙設備等の大型構造物
・貯水、食品、薬品等の各種タンク類や圧力容器
・溶接H型鋼を含めた土木、建築分野
でのご使用を期待しており、年間15,000㌧の販売を目標としています。

尚、船舶用途でのご使用に向け、厚中板(熱処理鋼板、TMCP鋼板、クラッド鋼板)について、(財)日本海事協会(NK)から製造方法の承認を取得(平成23年11月)しております。

本件に関するお問い合わせ先:03-3276-4505,4853,4516(企画部)