クリスタルシリーズ!共同提案により実現した高機能ステンレス!

2012/02/14

~連携ソリューションによる“4つの実現”と“もうひとつの実現”~

新日鐵住金ステンレス㈱(東京都千代田区、社長 木下洋。以下「NSSC」)および東京ステンレス研磨興業㈱(東京都墨田区、社長 日下部繁。以下「東研」)は、食品分野向けをはじめとする各種用途向けに、NSSCが製造する高品質のステンレス鋼板を素材として、東研が開発・保有する新メカノケミカルデスケーリング(電解砥粒減面。以下「EGR」)技術を適用した、新しい高級研磨仕上げを共同で提供することといたしました。

NSSCおよび東研は、EGR技術が有するピットなどの欠陥除去効果、酸類を使用せずに大溶削が可能といった環境親和性、お客様での加工・仕上げ工程での作業負荷軽減、さらには強化不働態皮膜による耐食性向上等の特徴を活かし、両社がそれぞれ長年蓄積してきた素材製造および研磨の経験と技術をベースに、お客様のさまざまなニーズに対応したソリューションを展開してまいります。

1. “4つの実現”と“もうひとつの実現”

“4つの実現”(商品特性)

  1. EGR処理により研磨パス数の大幅削減(半分以下)および工期短縮が可能です。
  2. 素材表面の欠陥除去効果が高く、粗目やピットがほぼ皆無となります。
    (表面欠陥や介在物の少ない、洗浄性にもすぐれた製品の提供が可能です)
  3. 研磨時に発生する熱影響による歪みが少ないため高い平坦度が確保できるとともに、切断時の残留応力影響による反りや変形等もミニマム化されます。
  4. CrystalSurfTM仕上げ(後述)では、EGR処理自体の特徴である強化不働態皮膜と発錆起点除去の効果等により、通常の研磨仕上げ材に比べて高い耐食性を示します。
    • 注)ⅰ:EGR仕上げのため、通常の研磨仕上げ材と外観が異なります。
      (処理方法により、波型・円形の独特の模様となります)
    • ⅱ:取り扱い時のキズ等により不働態皮膜が損なわれた場合は耐食性向上の効果が損なわれる場合があります。

“もうひとつの実現”(環境親和性)

  1. EGRの適用により、お客様でのショットブラストや酸洗等、環境負荷となる工程の省略が可能です。

用途例・候補

具体的な用途例としては、表面概観を問わないタンク材内面仕上げ等への適用が期待できることに加え、とりわけ粗目やピットなどの欠陥が許されず、厚板が素材となるため従来の機械研磨では工程負荷が高かったビール製造用の大型タンク向け等、NSSC八幡製造所の強力レベラーを用いて製造した高平坦度の厚板にEGR処理を行うことで、研磨処理回数の大幅削減と工期短縮が実現できます。

また、従来の機械研磨では避けられなかった筋状の粗目残りやピットをほぼ皆無にできる等、表面品位の向上と差別化ができることから、半導体製造装置をはじめとするIT関連設備向けへの適用等幅広い適用が見込まれます。

高精度・高光沢の鏡面仕上げ製品は、広幅の厚板を母材とすることで、重厚かつ高級な質感を伴う大面積の意匠空間を実現することが可能です。

2. 新しい高級研磨仕上げの3カテゴリー

  • CrystalSurfTM クリスタルサーフ:
    NSSC母材(以下同様)にEGR処理にて仕上げ研磨
    (補足説明)Surf—電解液をかけながらCrystalをみがくように波状(surf)に加工し、滑らかな表面(surface)仕上げを実現します
  • CrystalTM (400) クリスタル:
    EGRで下地処理し、400番仕上げ相当にて機械研磨
    (補足説明)お客様のご要望に応じて80番から800番仕上げまでの研磨が可能です
  • CrystalMirrorTM クリスタルミラー:
    EGRで下地処理し、高精度・高光沢の鏡面(No.8)研磨にて仕上げ
    (補足説明)高平坦度の厚板を素材に用いることで最大2600mmの広幅鏡面が可能です。

参考1:EGR技術について

円形台座の裏面外周に電極部と弾性砥石部を交互に、それぞれ複数個配置した減面ヘッドをワ-ク被削面に押付け、電解液と電流を供給しながら減面ヘッドを軸周りに回転させることによって電解砥粒減面(Electrolytic Grinding Reducing)を行う。1), 2)

  • 大削量が可能で滑らかな表面が得られる。
    下記条件にてSUS304/No.1材(粗度Ra 4.0μm, Ry 30μm)をEGR処理した後の表面粗さをFig.1に示す。削量30μmt
    電解液 30%NaNO3, 電流密度 15A/cm2, ヘッド押付力 0.1MPa
    ヘッド回転数 300rpm, ワーク走行速度 0.6mpm, 電極-ワーク間隙 1.5mm
  • 熱延スケールを有する表面(黒皮材)にも直接適用することができ、酸洗が不要になるなど環境面でも優れたプロセスである。2)
  • 通常の海浜環境の10倍の塩分を有する人口海水による定露点型乾湿繰返し試験の結果をFig. 2に示す。EGR処理材は優れた耐食性を示す。3)

  1. 特許第4878159号
  2. 河西, 荒川, 日下部, 原, 伊藤:CAMP-ISIJ Vol.23 (2010)-1313
  3. 原, 相馬, 淡, 荒川, 伊藤, 武藤:材料と環境2010, pp.381, 腐食防食協会

注)この処理は今の所、厚板等のシート材を対象にしておりコイルについては開発中

参考2:研磨製品例

SUS304厚板素材 6mm×2500mm×6000mm

(手前から、No1、CrystalSurfTM 、CrystalTM400、CrystalMirrorTM仕上げ)

参考3:NSSC八幡5000トン強力レベラー

問い合わせ先

新日鐵住金ステンレス 03-3276-4848,4853(企画部)
東京ステンレス研磨興業  047-450-0132