新日鐵住金ステンレス株式会社
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ステンレスの種類は?
ステンレスは、主要元素として、クロムを含む「クロム系」と、クロムとニッケルとを含む「ニッケル系」に大別されます。
さらに、金属組織から、クロム系は「フェライト系」と「マルテンサイト系」に、ニッケル系は「オーステナイト系」と「オーステナイト・フェライト系(二相系)」に分類されます。
この4種類の違いとそれぞれに適した用途は?
フェライト結晶構造の模式図
(体心立方格子)
オーステナイト結晶構造の模式図
(面心立方格子)
■フェライト系ステンレス
純鉄の場合、高温時の状態であるオーステナイト相(面心立方格子)はある程度の炭素を結晶内に取り込むことができますが、フェライト相(体心立方格子)はほとんど取り込めません。このため冷却過程でオーステナイト相からフェライト相に変化(変態)するとき、余分な炭素は追い出され、セメンタイト(鉄の炭化物)として析出します。
SUS430(17%クロム)に代表される「フェライト系ステンレス」も、ゆっくり冷却するとフェライト相とクロムの炭化物や窒化物になります。これら汎用のフェライト系ステンレスは、オーステナイト系ほどの耐食性を発揮しないため、業務用厨房、建築内装、家具など、それほど腐食環境が厳しくない用途に使用されてきましたが、近年の技術革新により、耐食性に優れるフェライト系ステンレス(高純度フェライト系ステンレス)が開発され、オーステナイト系からの代替としても、その適用範囲が急速に拡大しています。
( NSSC 160R, NSSC 180, NSSC 190, NSSC 220M )。
■マルテンサイト系ステンレス
一方、オーステナイト相(面心立方格子)を急冷(焼き入れ)することでできる「マルテンサイト相」は、炭素、窒素が逃げられず過飽和に溶けた体心格子になるため、格子が歪んだ状態となり硬質です。マルテンサイト相からなるマルテンサイト系ステンレスは刃物やシャフトなど、硬さが求められる用途に適しています。
(NSSC 420J2, NSSC 550)
■オーステナイト系ステンレス
「オーステナイト系ステンレス」の代表格は、クロムを18%とニッケルを8%加えたSUS 304です。
温度が下がって常温になってもオーステナイト相がフェライト相に変化することなく、結晶構造も面心立方格子を維持します。一般的にオーステナイト系ステンレスは比較的耐食性に優れ、その用途は家庭用品、建築内外装、液化天然ガス(LNG)タンク、原子力設備と広範囲にわたっています。
■オーステナイト・フェライト系(二相系)ステンレス
オーステナイト相とフェライト相の2つの金属組織(二相)が混在したステンレスで、物理的性質はフェライトとオーステナイトの中間になります。また、耐海水性,耐応力腐食割れ性に優れ、強度が高いという特長があります。これらの特性により、海水用復水器,熱交換器および排煙脱硫装置などの環境対策機器や各種化学プラント用装置に用いられています。
(NSSC DX1)
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ステンレスの磁性とは?
磁石につくステンレス、磁石につかないステンレス

鉄、コバルト、ニッケルは磁石に付くことが知られています。これらの金属は、ようするに小さな磁石の集まりで、通常は、おのおのが打ち消しあって全体としては磁石になっていませんが、磁石を近づけると小磁石の方向がそろい磁石にくっつきます。同様にフェライト系やマルテンサイト系のステンレスは、小磁石の集まりなので磁石に付きます。しかし、面心立方格子のオーステナイト系ステンレスは小磁石を持っておらず磁石に付きません。

長年、オーステナイト系ステンレスの性能が優れるというイメージからか、磁石に付くステンレスよりも、磁石に付かないステンレスの方が高級品と言われてきましたが、磁石に付く・付かないは、耐食性とは直接関係がありません。新日鐵住金ステンレス(NSSC)は、磁石に付くフェライト系ステンレスの品質を高め、オーステナイト系ステンレスに匹敵する性能のステンレス(高純度フェライト系ステンレス)を創り出してきました。
( NSSC 160R, NSSC 430D, NSSC PDX, NSSC 180, NSSC 190, NSSC 220M )
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フェライト系ステンレスの使われ方
NSSCが加速させる「フェライト系ステンレス」の普及
NSSCは、高度な精錬技術並びに組織制御技術によって「高純度フェライト系ステンレス」を各種開発してまいりました。
さらに自動車排気系に使用されるステンレスについて、普通鋼の製造設備であるタンデム圧延機や連続焼鈍設備を有効に活用した生産プロセスを開発し、生産性を飛躍的に向上させ、自動車排気系へのステンレスの適用・普及を加速させました。現在、これほど「フェライト系ステンレス」が普及しているのは日本だけです。


自動車のモール(NSSC 180


業務用冷蔵庫の外装
NSSC 180)
昭和55年ごろに自動車のモール用に開発した「NSSC 180:低炭素、低窒素にした上で、ニオブ、銅、ニッケルを微量添加した19%クロム鋼」は、SUS 304並の耐銹性を持ちながら高い加工性と溶接性も併せ持ち、近年では食洗機などの家庭用電化製品、業務用厨房製品や建築内外装品等に幅広く使用されています。特に最近ではニッケル、モリブデンの高騰から、耐食性、加工性、コストのバランスに優れる「NSSC 180」が脚光を浴びており、さらに用途が広がりつつあります。


電気温水器タンク
NSSC 190


自動車排気系部品 (NSSC FHZ
これ以外のNSSCの主なフェライト系商品を紹介します。
NSSC 190, NSSC 220M:厳しい腐食環境でのご使用に適しています。
NSSC 405Si, NSSC FH11:耐酸化性に優れています。
NSSC HOM:極めて高い耐酸化性と大きな電気抵抗を有しています。
NSSC FHZ:高温強度、耐熱性、加工性をバランスさせており、主として自動車排気部品に適用されています。
ガス給湯器排気部品(NSSC PDX
他にも加工性をとことんまで追及した「NSSC PDX(炭素、窒素などの不純物元素を極限まで減少させ、それにチタンを添加した17%クロム鋼)」は、軟らかく普通鋼と同じ金型で加工できるという特長から冷蔵庫の扉等に使用されておりますが、高い加工性を活かし、オーステナイト系でなければ加工できなかったような複雑な形状の製品への適用を提案してまいります。

ステンレス異形鉄筋の施工例(NSSD410-295
フェライト系ステンレスが活躍する新分野として注目されているのが、建築・土木分野での構造材です。外観よりも機能としてのさびにくさと経済性(ライフサイクルコスト)を活かし、高寿命・高耐久性が求められる、形鋼や鉄筋での採用が始まっています。
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オーステナイト系ステンレスの使われ方
液化天然ガスタンク
オールマイティな「オーステナイト系ステンレス」
現在、世界で使われているステンレスの約7割がオーステナイト系です。その代表鋼種のSUS 304(18%クロム、8%ニッケル)は、(1)優れた耐食性(高いクロム含有率による耐銹性、ニッケル添加による耐穴あき性)(2)耐熱性(高温強度、耐酸化性)(3)低温靭性(4)60%にも及ぶ伸びを持ち、さまざまな形状にも加工できるという特長を持っています。
そのため耐銹性を要求される家庭用品、建築内外装品、耐穴あき性を要求される原子力機器、化学プラント設備、耐熱性を要求される自動車のフレキ管、低温靭性を要求される液化天然ガス(LNG)タンク等、様々な用途に使用されています。
鉄道車両
さらに、SUS 304やSUS 301(17%クロム、7%ニッケル)等の鋼種では、冷間圧延すると加工された部分がマルテンサイトに変化し、非常に硬くなって強度が増します。クロム、ニッケルなどの成分量が同じでも、圧延時の加工率によりオーステナイトの部分とマルテンサイトに変化させる部分の比率を変え、用途に応じて伸びと強度のバランスをコントロールすることができます。これを応用して各種バネや鉄道車両等に高強度材として使用されています。
またSUS 304は、熱伝導率が低く熱を逃がしません。保温効果があり、落としても割れないので魔法瓶やマグカップ等に適しています。SUS 304で作られた調理器具の鍋は、鍋底に銅を張ることで、効率的に熱が伝わるような工夫がなされていますが、一度温めた後はSUS 304の性能で熱を逃がしません。
NSSCでは、加工硬化性が特長のSUS 301系,耐粒界腐食性に優れたSUS 304L,高強度のSUS 304N2,加工性を高めたSUS 305やSUS XM7,耐酸化性に優れたSUS 310S,耐食性を向上させたSUS 309S,SUS 316系,317系,等々の各種JIS鋼種の製造も行っています。

加えて、特長ある機能を付与あるいは向上させた当社独自鋼種(NSSCシリーズ)を保有しており、お客様にご愛顧いただいております。以下にその一例を紹介します。

NSSC 27AS:加工性、特に張り出し加工性が高く、耐時期割れ性にも優れていますので、デザインシンク等複雑な形状の深絞り部品に適用されています。
NSSC 304RM2, NSSC 304JS:極めて軟質であるため、精密プレス部品に適用されています。
NSSC 305B:耐酸化性に優れ、加工性も良いため、自動車排気系部や各種燃焼器具部品に適用されています。
NSSC 110M:耐応力腐食割れ性に優れているため、給湯設備や熱交換機に適用されています。
NSSC 270, NSSC 270R:極めて高い耐食性を有するスーパーステンレスで、各種の酸や海水に対しても良好な耐食性を有していますので、化学プラント、海水淡水化プラントや厳しい塩害地域での屋根等の外装建材の他、最近では海洋構造物干満帯の防食ライニングや極めて塩分濃度の高い食品プラントにも適用されています。


システムキッチンシンク(NSSC 27AS


那覇空港ウイングの屋根(NSSC 270


醤油もろ味タンク(NSSC 270
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